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Vol.2号 

Web マガジン Orgue     Vol.2                                                               2011年6月

Webマガジン Vol2号をご案内いたします。

Webマガジン‘Orgue’ Vol.2号とVol.3号は、特別企画でオランダ在住のオルガニスト塚谷 水無子氏によるオランダオルガン情報を特集いたします。オランダは現在でも古楽、オルガン音楽が盛んですが、少し前まで一家に一台ピアノではなく、一家に一台リビングに小型のハウスオルガンが置かれ、夕飯後にオルガン音楽を楽しむ時代もあったと、イタリア人の友人に以前、聞いたことがあります。

梅雨空の日本ですが、爽やかな初夏を迎えるオランダの地にしばし思いを馳せるのはいかがでしょうか?

オルガニストの輪と日本のオルガン紹介は、4号以降に掲載しますのでご了承をお願い申し上げます。

目次:
☆コンサートチケット完売御礼  

☆世界のオルガン紹介         オランダ 塚谷 水無子氏 
         

☆コンサートチケット完売の御礼: ブルーベルの森主催第1弾のオルガンコンサートですが、おかげさまで14時の部、16時半の部とも完売いたしました。心より感謝申し上げます。

また、チャリティーバザールは、たくさんの方(ベルギー人、ベルギー在住カナダ人、日本人)のご好意のおかげで、手作りスペキュロス、写真ポストカード、絵、コーヒー、タオル、ナプキンなどベルギーグッズを用意できることになりました。

この場をかりて、ご協力いただきました皆様に心より感謝申し上げます。また、16日に、ご来場いただく皆様にお目にかかるのを楽しみにしております。ありがとうございました。

☆世界のオルガン紹介   

以下、塚谷 水無子氏の文章です。(青字は、管理人からの質問です。)

♪まず最初にオランダのパイプオルガンについてお聞かせください。

九州ほどの面積しかない小さな国、オランダ。アムステルダムやユトレヒトといった大都市だけでなく北部フリースランドの小さな町や村にも建造当時そのままのパイプオルガンを目にします。オランダは“歴史的パイプオルガン”とよばれる美しい音色とファサードをもつ楽器があちこちにある、というところです。風車やチーズだけではないのです。

オランダの教会はキリスト教にご縁の無い方に対しても、とてもオープン。教会の中に一歩足をふみいれると、そこには歴史的パイプオルガン。季節のいい春や夏なら各地の教会で演奏会が頻繁にあるので18世紀の美しい音色を気軽に楽しむことができます。余りにも気軽に聴けてしまうので拍子抜けするくらい。コンサートの後私の演奏を聴きに来て下さるオランダ人の方達とお喋りするたび「教会という所は宗教的な役目だけではなく、そもそも民衆のための憩いの場、出会いの場なのだ!」と実感させられます。(次号につづく)

♪CD収録に使用した聖バフォ教会(De Grote of St-Bavokerk)のオルガンはとても歴史的なオルガンと聞いていますが、歴史や特徴など教えていただけますか?

アムステルダムから20Km程西に位置する町、ハーレム(Haarlem)。王宮のあるデンハーグに程近いハーレムはオランダの由緒ある町として知られ、運河と美しい家々の佇まいにも気品が感じられます。グローテマルクト広場にオランダ最大の教会、聖バフォ教会があります。天空に届くパイプオルガンを建てたい…そんな当時の人々の願いが詰まったこの教会。ここにCD《愛と祈りの・・・》の収録に使用したパイプオルガンがあります。

1738年パイプオルガン建築の巨匠クリスチャン=ミューラーが建造した3段鍵盤68ストップの世界最大級の楽器。ミューラーは幾千ものパイプの音色と残響が広い堂内に三次元的に拡散するようにオルガンケースを設計。オルガン建築史上革新的なことでした。

オランダのパイプオルガンの特徴は、バロック期のプレリュードで使用するプリンシパルパイプの音色が力強く明るい。このオルガンを聴くと特徴がよくわかります。足鍵盤には32フィートのプリンシパルパイプ。ちなみに32フィートはピアノの実音の2オクターブ下の音域。パイプオルガンは低音域の音色を重ねづけすることで音に深みと迫力が、ミクスチュアなど高次倍音のパイプを重ねると音に華やかさが生まれます。(次号につづく)


ⓒDaniel van Horssen

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ⓒMinako Tsukatani

ゴシック様式の外観が美しい聖バフォ教会。ユネスコ文化遺産に登録されている。

 

♪お気に入りのストップがあれば教えてください。

本音申せばお気に入りのストップは無い(笑)。人間の魅力を一語で語れないのと同じ。オルガンは千差万別。パイプオルガン奏者のミッションは楽器の王様たるパイプオルガンの個々の楽器の魅力の全てを演奏会のプログラムでひき出すこと。弾く前にディスポジションで憶測もできますが即興して初めてわかる“隠れた魅力”にも遭遇します。だから白紙の状態でいたい。好き嫌いや先入観があると宝物を発見出来なくなってしまうようで・・・

パイプオルガンの醍醐味は“orgel pleno”とよばれる、バッハのトッカータとフーガニ短調のような強烈なフォルテと、フルート属の繊細なピアニッシモが「1台の中に共存」すること。スペクタクル的な響きが広がったと思ったら、天井から4フィートのフルートパイプ1本の音色が舞い降り、パイプ1本の音色の筈なのに豊かに響き渡る。濃厚で重厚な音と素材一本勝負の音。このコントラストが、演奏していてたまらないですね。

♪発売されたCD《愛と祈りのパイプオルガン》についてご案内ください。

パイプオルガンをリラックスしながら聴いてもらいたい。宝石箱のように多彩なオルガンパイプの音色、レジストレーションをゆったり堪能してほしい…ずっとそう思っていました。ウンチク抜きで聴く人の耳にスッと心地よく入ってくるパイプオルガンのCDを製作したい。そんな思いから《愛と祈りのパイプオルガン》が誕生しました。

選曲と編曲、レジストレーションにこだわった当人(つまり私)は大真面目にサティやベートーヴェンを選びました。パッヘルベルにはバッハのトリオのレジストレーションを、ベートーヴェンにはロマン派的Fond d’orgueという音を・・・と緻密な楽曲考証を重ねつつ。シンセサイザーでは体感できない究極の聴き心地を提供しよう、と思っていましたから。 

アカデミズムから大きく脱線したかのように見えるかもしれません。でもトランスクリプション(編曲)は19世紀から既にさかんだったこと。《ハレルヤコーラス》や《悲愴》が皆様の心のビタミンになりますようにと、心から願っています。

ⓒKing Records

 

 

♪今後の予定をお知らせください。

2011年6月24日(金)13:00- 於 アムステルダム 西教会(Westerkerk) 

ランチコンサート           共演:マリアン・ヤスパース・フェイヤー(フルート)

2011年7月9日(土) 13:30-  於 ライデン ホーフランドス教会(Hooglandsekerk)

オルガンプロムナードコンサート   共演:マリアン・ヤスパース・フェイヤー(フルート)

2011年9月10日(土)13:00-/ 14:00-/ 15:00- /16:00- (各15分)     於 アムステルダム 西教会(Westerkerk) 

モニュメンタルデーコンサート(Open Monumentendag)

2011年9月11日(日)13:00-/ 14:00-/ 15:00-  (各15分)      於 アムステルダム 西教会(Westerkerk) 

モニュメンタルデーコンサート(Open Monumentendag)

2011年9月11日(日)16:00-   於 アムステルダム 西教会(Westerkerk) 

モニュメンタルデーファイナルコンサート(60分)

2011年9月30日(金)13:00-   於 アムステルダム 西教会(Westerkerk) 

ランチコンサート

2011年12月1日(木)19:00-  於 川口リリアホール 

クリスマスパイプオルガンコンサート 

Aプロ「宙」

               共演:青島広志、東京大学管弦楽部有志

               曲:弦楽のためのセレナーデ(チャイコフスキー)

                                                   ダースベーダーのテーマ(J.ウィリアムズ)他

2011年12月24日(土)13:00-  於 石橋メモリアルホール 

クリスマスオルガンコンサート

Bプロ「愛」

                                            共演:青島広志、東京大学管弦楽部有志

               曲:オルガン協奏曲 ヘ長調(ヘンデル)

                                                   パッヘルベルのカノン

                                                   トッカータとフーガ ニ短調 他

2012年1月14日(土)14:00-   於 宝塚ベガホール

ニューイヤーパイプオルガンコンサート

               共演:青島広志

♪プロフィール

塚谷 水無子(つかたに・みなこ/パイプオルガン)

東京芸術大学楽理科在籍中よりパイプオルガンをはじめる。アムステルダム音楽院、デンハーグ王立音楽院修士課程を首席で卒業。国際シュニットガー・オルガンコンクール入選以来、欧州、日本各地でコンサートに多数出演。世界初演も数多くこなす。オランダよりリリースしたCD「風のささやき第1集」が特選盤に選出。キングレコードよりCD《癒しのパイプオルガン》で国内盤デビュー。セカンドアルバム《愛と祈りのパイプオルガン》(同)が「レコード芸術」で準特薦に。パイプオルガンを今井奈緒子、早島真紀子、ジャック・ファン・オールトメルセン、ジャン・ボワイエ、即興演奏をヨス・ファン・デア・コーイに師事、音楽学を角倉一朗に師事。現日本演奏連盟会員。サントリーホール、東京オペラシティ、カザルスホール、神奈川県民ホールなど出演多数。

公式サイトwww.minakotsukatani.com

 

 

♪貴重なお話しをたくさんいただき、ありがとうございました。

次号もご期待ください!


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